イギリスの旅−1(ブロートン・グランジ)

7月5日、イギリスツアーに参加するためパリから一人ロンドンに向かいました。シャルルドゴール空港までは桐原春子先生はじめフランスツアーのみなさまとご一緒でしたので心強かったです。ターミナルに入ってからは一人。予定の飛行機に乗り遅れないように緊張して搭乗案内を待ちました。ヒースロー空港では、パリからと日本からでは到着ターミナルが違うので空港内での移動に戸惑いつつ、初めてヒースロー・コネクトというターミナル間を移動する電車(無料)にも乗りました。2〜3回人に尋ねて、やっと日本からの到着出口にたどり着きました。吉谷桂子先生のお顔を見つけた時にはホッと嬉しかったです。肌寒く小雨の降るなか、バスでその日の宿泊地、オックスフォードのホテル、ホリデイ・インに向かいました。ホテルの入り口にはラヴェンダーや薔薇が植えられていて、こんな素敵なコーナーもありました。パリからの一人旅の疲れも和み、イギリスに来たんだわ!と実感しました。

最初に訪れたお庭は、イギリスの21世紀を代表するガーデン・デザイナーと言われているトム・スチュワートスミスがデザインしたBROUGHTON GRANGE ESTATE GARDEN です。こちらのお庭は普段は非公開とのこと。今回はやっとOKがでて見学できることになりました。入り口を入るとこんな可愛らしい地図が設置されています。地図の左上が入り口になり、ガーデンへの小道が続きます。土地は傾斜していて、入り口からガーデン奥に向かう途中から徐々に下がっていきます。

入り口を入り中に進みます。

案内してくださったガーデナー。彼の他に5人くらいで管理しているそうです。

大きな四角い池が造成されています。水面に空、雲、周囲の植物が写って独特の雰囲気です。池の片側(写真では右側)はテラスになっていて木製のテーブル、椅子セット、大きなコンテナがシンメトリーに置かれていました。

ノット・ガーデンも見慣れた形ではなく、ノットの角がとれて丸みを帯び、デザインも有るのか無いのか・・・なんとなくうねっているようにみえました。そのノットの中に野菜や草花が美しく植えれられていました。

芝生の広場にはおおきなトピアリーが造られています。飼われているワンちゃんが悠然と座っています。向こうに見える白い屋根は作業小屋、キッチンなどがある建物の屋根です。キッチンでは、案内してくださったガーデナーが紅茶と焼き菓子をサーヴィスしてくださり、お茶を頂き乍らガーデン鑑賞という贅沢な時間を持つ事ができました。

キッチン・ガーデンの脇はラヴェンダー。右側の草花が見える部分は一段低くなっています。

温室の中も鉢や植物は色彩とフォルムの組み合わせなどでデザインされていました。

トマトとダリアの組み合わせ。色の組み合わせが絶妙だと思いました。さりげなく置かれているように見えますけれど、レンガの壁、トマトの花、実、ダリアの花弁、花芯、茎、葉色など細やかな配慮がなされているなぁと感心しました。

広い、広いメドウ。遠くから見るとピンク色の霞がかかったように見えましたが、近くでみるとこんな感じでした。

こちらのお庭はイングリッシュ・ガーデンの伝統をふまえて新しい感覚で造られていると感じました。入ってまず目に入った草花の色の大きなかたまり、背丈の高さが印象的でした。土地が傾斜しているので、どこに立っても遠くの景色が借景となり広がりを感じました。日本のように広告、電線などもなく、目線を遮るものもなく、とても素晴らしいのどかな田園風景がみられます。その時間(午前の早い時間)、お庭をおとずれる人は私たちだけなので静かな環境で鑑賞できたことも心に残りました。