チューリップ専用花器

美容室で手にした雑誌の中の広告にひきつけられました。Vogue10月号、VALENTINOのお洋服の広告ページでした。そのお洋服の生地の模様はチューリップがモチーフになっていたのでした。見開き左側のページには、チューリップのお花が白地に青い模様が美しいデルフト焼きのチューリップ専用花器に生けられているのです。なんと粋な広告なんでしょう!   

    
トルコが原産地のチューリップは16世紀になってヨーロッパにもたらされ、1593年、オランダのライデン植物園に初めてチューリプが植えられたそうです。珍しく美しいお花を咲かせるチューリップに人々は魅せられたのではないでしょうか。17世紀にはチューリップの球根売買が始まり投機の対象となって、チューリップ狂時代が訪れました。チューリップにかかわる人々の運命も狂わせたかもしれませんね。
高価なチューリプを買えるのは資産のある富裕層でした。求めたチューリップをより美しく見せる為の専用の花器が作られました。それぞれのお花の美しさを際立たせるため、チューリプを一本ずつさせるようにノズルのような小さな筒がある花器です。その花器に飾ったチューリップを愛でて自慢したことでしょう。
そのようなチューリップ専用の花器がVALENTINOの広告に使われていたのです。素敵ですね。VALENTINOのお洋服はデザイン、仕立てが素晴らしくていつもため息と一緒にウインドーを眺めていたのですが、この広告でさらに憧れのブランドになりました。