伝統的な仮面@ベネチア仮面舞踏会

たっぷりと陽の光が戻って木々の緑が輝いて見える日曜日。静かです。

東京の緊急事態宣言は来週には解除されそうです。解除されたとしても、以前のような日常には戻れそうもありません。コロナウイルス後の「新しい生活」は「日常」となるんですね。

 

5月9日(土)にNHKで放送された「そして街から人が消えた〜封鎖都市・ベネチア」という番組で興味深い場面がありました。ベネチアでは、伝統的なお祭り「仮面舞踏会」の開催中で、フィナーレを迎える二日前に封鎖が決まったとのこと。

仮面舞踏会では、様々な仮面と衣装をまとって街をパレードするのですが、いまでも伝統的な仮面が作られているそうです。特徴的なこの鳥のデザインの仮面もその一つとのこと。

 

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これは、14世紀にペストの大流行があった時に作られた仮面との紹介でした。鳥の嘴が大きいのは単にデザインの為では無くて、その嘴の中にハーブを詰めていたとのこと。当時の医師たちは、身を守るために抗菌、殺菌作用のあるハーブを嘴に詰めて患者さんと対面していたそうなのです。

 

この場面を観て、かつてイギリスで行われていたハーブの使い方を思い出しました。

土間の床にハーブを敷いてその上を歩くことで立ち上がる香り、その香りで空気を清浄にするストローイングハーブ、ハーブを束ねて持ち歩くタッジーマッジー、オレンジに抗菌作用の強いクローブを刺して乾燥させて、それを持ち歩くオレンジポマンダー、スパイスなどを美しく細工されたケースに詰めて身につけていたポマンダーなど。

 

古くから、人々は自然からの贈り物を賢く使って身を清めたり、暮らしを豊かにしていたのですね。これからの「新しい生活」にも取り入れられることは多々ありそうです。