冬・薔薇の楽しみ

今朝は風が強いですね。薔薇の枝先も北風にゆれております。
冬の庭で薔薇を見ていると、Mr.Roseと呼ばれていらした鈴木省三先生から教えて頂いたことを思い出します。
「薔薇はその姿全部を鑑賞しましょう。葉の姿、棘の様子など、花だけではありませんよ」と。

昨年の春、母校の東京都立園芸高校(鈴木省三先生の母校です!)で薔薇の講演会をさせて頂きました時には、そのような事もお話し、我が家にある薔薇の棘の写真もご覧頂きました。
園芸作業の時にはちょっと手こずる薔薇の棘ですけれど、一つ一つにも個性があるのです。まっすぐ横向き、上向き、下向き、新しい棘はやわらかく透明感を感じます。

写真は、チャイナローズの勇君昭です。まだ若さの残る枝に付いている棘。先端はほんのりと紅色で鋭く下向きに。何かに絡みやすくなっているのですね。

古くなると白っぽくなっており、それほど下向きでもありません。

花の咲いていない冬には、薔薇の棘、枝の色など花とは違う魅力を発見できるかもしれませんね。薔薇は休眠期にはいっている冬、剪定をするので、枝や棘を十分に観る事は出来ないかもしれませんけれど、剪定する時には良く観てからと思います。

ノイバラの細い枝には新芽がほどけ始めておりました。細い枝に棘は無くてすべすべです。葉の渕はピンク色に縁取られて初々しく見えます。薔薇の花咲く季節が待ち遠しく楽しみです。


薔薇の芽の いと柔らかき とげを持ち(菅原澄子)
くれないの 二尺伸びたる 薔薇の芽の 針やわらかに 春雨の降る(正岡子規