2016年バラ園芸フォーラム @ 園芸高校

 昨日の午後、都立園芸高校にてバラ園芸フォーラムが開催されました。講師は、野村和子氏。世界的薔薇の育種家でいらした鈴木省三先生の晩年20年間、京成バラ園芸研究所にて鈴木先生のお仕事を支えていらしたそうです。
    
 ご講演は「ばらの不思議」というテーマでした。ばらにまつわる不思議を、「薔薇」の読み方、歴史、分類などさまざまな面から11のテーマに分けてお話し下さいました。映像と解説で分かりやすく、大変興味深くお聞きしました。
 講演途中には、鈴木省三先生のエピソードもご披露くださったのでした。鈴木省三先生は、ギルガメッシュ叙事詩に登場します女神イシュタルが花の香りを嗅いでいる像(「花の香りを嗅ぐ女神像」ルーブル美術館蔵)に大変関心を持たれていたそうです。その女神が香りを嗅いでいる花はバラの花と言われております。
 お亡くなりになった年の秋、世田谷美術館で展示(メソポタミア文明展 2000年)があり、野村氏は鈴木省三先生の奥様とご一緒にその女神像をご覧になったのです。その折り奥様は、バッグの中に、鈴木省三先生のお写真を忍ばせていらしたとか。美しいお話ですね。
    
    
 講演会のあとは、薔薇園の見学でした。オールドローズやモダンローズ、香り高いバラの花がここを盛りに咲いておりました。  
    
    
 鈴木省三先生は、1990年、奥様のお名前をつけられた「晴世」という薔薇も作出されているのです。薔薇園で咲いておりました晴世さん。 奥様に捧げられた芳しく美しい薔薇。。。
 次の日曜日、5月15日(10時~15時)は薔薇園の公開日となり、申し込みの必要も無く、見学できるそうです。