今日からはじめるハーブ生活:一回(続き)

    
       フランス、プロヴァンス地方にあるサラゴン修道院

次に、簡単に歴史を振り返ってみましょう。古代ローマ人は香り好きだったようで、バラ、カーネーション、ユリなどの芳香ある花やハーブを入浴剤にしたり、宴会のテーブルを飾ったり、冠をつくって頭上に載せたり、さまざまな方法で香りある生活を楽しんでいました。ハーブ生活を楽しんでいたのですね。
中世の頃には、ハーブは修道院の薬草園で薬用として栽培され、その薬草園を管理する修道僧は、自分たちや近隣住民の治療や健康維持のためにセージ、ローズマリー、ネットルなど様々なハーブを活用していました。
イギリスでは、エリザベス朝のころには、お城の中に素晴らしい庭園があり、女性のためのフレグランスグッズをつくる部屋(スティルルーム)もありました。そこでは庭から採ってきたハーブや花で匂い袋、部屋を香らせる為のポプリなどを専用のメイドが作っていました。
ヴィクトリア朝になると、花言葉を意識した花束が作られるようになり、その花束に思いを託して贈っていたそうです。恋人には愛にまつわる花言葉をもつハーブや草花を集めて贈ったことでしょうね。花束をまとめる為のホルダー(ポージーホルダー)も金銀細工で美しいものが作られておりました。ゆったりと時間が流れ、ロマンチックだと思いませんか。
時は移り、産業革命後は合成香料などが出来たため、手間のかかる天然のフレグランスグッズを作る事は衰退しました。しかし、60年代になり、ナチュラルな暮らしへの関心がたかまり再びハーブに光が当たり始めました。
なんとなくハーブのことが分かっていただけましたか。今日はまだ始まったばかり。これから奥深いハーブ・ワールドに進んでいきますのでどうぞお楽しみに!

©hiroko nagata