第5回目 育ててみましょう!(日経ウーマン2005年8月連載より)

良い苗を選びましたら、次はハーブを育てること(栽培)です。栽培については数回に分けて書かせて頂きました。


第5回 育ててみましょう! - 1

いよいよ今日からハーブ・ガーデニングスタートです。ハーブの苗のほかに、ガーデニングに必要な道具は次のようなものです。
鉢、移植ゴテ、鉢底ネット、鉢底土(石)、ハーブ用培養土、ジョウロ、ハサミ、土入れなどはマスト・アイテムです。これら以外には使用済みの割り箸、手袋、エプロンなどがあれば尚良いですね。使いやすい道具があれば、作業もはかどります。
使いやすいという実用性にプラスしてデザイン性のあるセンス良いものならばさらに楽しく作業出来ることでしょう。
では、これらの道具について説明いたします。基本はしっかりおさえておきましょう。なお、道具や鉢に関しましては、拙書、失敗しないハーブ作り(講談社)の147〜149ページに写真とイラストでご紹介いたしましたので、そちらも参考にご覧いただけましたら幸甚でございます。
    

*鉢
お店でよく売られているのはプラスチックやテラコッタ製です。
プラスチックは軽くて、保水性がありますが、通気性に欠けます。お値段的には買いやすいですね。最近は、プラスチックでも良いものが出回るようになりました。
テラコッタは『焼いた土』を意味するイタリア語で、素焼きの鉢のことです。通気性はありますが、保水性は劣ります。素焼きなので重いです。お値段的にもプラスチックよりは高めです。
夫々に長所、短所があるので、おしゃれにしたいならテラコッタ、実用性をとるならプラスチックという考え方もできますね。そのほか木箱、ブリキ製の缶、バスケットなど工夫次第で鉢として使うことが出来ます。
鉢の大きさは決められていて、『号』で呼ばれます。1号は直径3cm、高さ3cmの大きさです。従って、3号ポットは直径9cm、高さ9cmのサイズになります。ハーブ苗は3号ポットで売られていることが多いですね。
*移植ゴテ
埋め込む穴を掘ったり、苗を掘り上げたり、土を入れたりするときに使います。持ったとき、しっくりと手になじみ、バランスの良い、丈夫な材質のものを選びましょう。私が子供の頃は、移植ゴテをシャベルと呼んでいましたが、移植ゴテは小さくで片手で持てます。シャベルとは同一ではありませんのでご注意くださいね。
*鉢底ネット(鉢底網)
鉢底穴の部分に敷きます。鉢底穴から土がこぼれたりしないよう、虫が入り込まないようにするために使います。最近はナメクジが入り込まないようにナメクジが嫌う銅製のネットも売られています。
*鉢底土(鉢底石)
鉢底部分の排水が良くなるように使います。大粒の赤玉土軽石を使ってもよいのですが、軽くて使用後は土壌改良剤として利用できる便利な製品が売られています。発泡スチロール製の箱をこまかく砕いたものや、梱包剤を利用することもできます。
*ハーブ用培養土
ほとんどのハーブはややアルカリ性の土を好みます。ハーブ用として売られている土ならすぐに使えて便利です。どんなものが混ぜられているのか、肥料も入っているのか袋の説明文を読んでおきましょう。自分でブレンドする場合は、小粒赤玉土腐葉土を7対3、パーライトを1〜2割程度、苦土石灰(メーカーの使用説明により加減)、有機質緩効性肥料などを混ぜて作ります。
*ジョウロ
水を入れると重くなることを考えて大きさを選びましょう。ハス口がとりはずぜる様になっているほうがつかいやすいと思います。
*鋏み
持った時、手になじみしっくりするもの。切る枝の太さによってはさみの種類と大きさも変わってきますが、ハーブの枝を切る程度なら、それほど頑丈で大きなはさみは必要ないでしょう。
*土入れ
土を鉢にいれるときにつかいます。土がこぼれにくいように出来ています。ステンレス製、プラスチック製などがあり、大・中・小の3個組みになって売られている事が多いです。
*隙間をうめる為の棒または割り箸など
植え込む時に、苗と苗、苗と鉢の間に隙間が出来ないようにしっかりと土を入れることが必要です。その為の専用の棒も市販されておりますが、使用済み割り箸や枝などでも代用できます。
*手袋&エプロン
土は意外と手が荒れるものです。手あれ防止やバラの手入れで棘を除けたりする時には手袋を使うこともあります。布製、皮製、ビニール製などがあります。植え込む時にはキッチン用ビニール手袋も以外と便利です。ご自分の手のサイズに合うものを選ぶ事が大切です。


使い終わった道具は、きれいに洗って汚れを落としておきましょう。こうしておけばいつでも気持ちよく使うことが出来ますし、病気の広がりをも防ぐことが出来ます。
今回は、道具の説明だけで終わってしまいました。明日は苗の植え方をご紹介します。

©hiroko nagata