8年前・日経ウーマンの連載

日経ウーマンのウエブマガジンにて2005年8月1日から31日まで「今日からはじめるハーブ生活」というタイトルでハーブについて毎日、31回連載させていただきました。過ぎ行く月日は早く、もう8年も前のことに・・・もしかしてリアルタイムにてご覧下さいました方もいらしゃるでしょうか。ハーブ初めての方にも分かりやすくと心がけて原稿を書きましたことがなつかしく思い出されます。

アーカイブとして見る事が出来たのですが、サイトがリニューアル致しまして現在は見る事が出来なくなりました。31回分をいつか纏めたいと思っておりました。ちょうど今日からは8月になりますので、8年前の8月1日を思い出して再び「今日からはじめるハーブ生活」を、当時の原稿を加筆修正し乍ら、不定期になるかもしれませんが、少しずつアップして参りたいと存じます。ご笑覧いただけましたら嬉しく、ありがたく、どうぞよろしくお願い申し上げます。
写真は、2011年6月、尊敬するハーブ研究家・桐原春子先生のツアーでプロヴァンスを訪れた時、ランデル氏のラヴェンダー畑にて摘ませて頂いたハーブで作ったブーケとラヴェンダーバンドルズです。

    

2005年8月1日
開講にあたって: Wellcome to ハーブ生活

最近は近所のスーパーの野菜売り場にもハーブがあり、雑貨屋さんにもハーブを使ったクラフトや小物などが置かれています。ハーブはずいぶんと身近な存在になってきました。ハーブの香りは、私たちの心と体にやさしく働きかけてくれます。そんなハーブを日常の暮らしに取り入れるハーブ生活をはじめませんか。これからひと月、ハーブの育て方、利用方法など、ハーブについてさまざまなことをご紹介します。興味のあることからスタートすれば、ハーブビギナーさんも大丈夫ですよ。毎日一つずつ「今日のハーブ」も掲載しますので、画面から香りを想像してみてくださいね。すがすがしいハーブの香りで健やかに暮らしましょう!

第一回:
今日から連載が始まります。みなさま、どうぞよろしくお願い致します。第1回目なので、ハーブとは何?、ハーブのふるさと、歴史的なことなどをやさしくご紹介したいと思います。

夏の日の朝、まだ世の中が目覚める前、窓をあけて深呼吸してみます。庭にあふれているすがすがしいハーブの香りがすぅーと体の中に入ってきます。大好きな瞬間、ハーブ生活の醍醐味のように思います。
ハーブをやさしく表現するなら、私たちの生活に役立ってくれる香りのある植物といえます。
ハーブという言葉の語源は「草」という意味のラテン語「Herba」に由来しています。聖書の創世記に書かれている『緑の草』もハーブをさしているそうです。この緑の草=ハーブを私たちの祖先は数千年も前から利用していました。その初めは、食料を包む時、傷を手当てする時などに使った草と考えられます。その緑の草の持つ抗菌性、殺菌性、防腐性、芳香付けなどに気づいたことが、今日、私たちがハーブとして利用することにつながっているのでしょう。

ハーブのふるさとは、大まかに分けると地中海沿岸地方と熱帯アジアです。地中海沿岸地方は、ややアルカリ性の土壌で、しとしとと雨が降り続くことも無い、湿気の少ない乾燥した気候風土です。数年前にラヴェンダーを見学しにフランスのプロヴァンス地方を旅したとき、道路沿いのごろごろと石ころだらけの場所、けれど日当たりと通風はとても良い所に、ローズマリー、タイム、フェンネルなどが野生していました。
一方、熱帯アジアは冬の温度も比較的高く、湿度の高い、夏は高温になる気候風土です。この地方原産のハーブは、冬の寒さに弱いハーブが多いのですが、その点を注意すれば日本でも育てやすいハーブといえます。代表的なハーブは、タイ料理でよく使われるレモングラスやバジルです。イタリア料理でおなじみのバジルは熱帯アジアがふるさとなのです。(続く)

©hiroko nagata