新編 香りの百花譜

敬愛する熊井明子先生のご著書です。2007年に千早書房より刊行されたご本が2010年に装いも新たになり上梓されました。昨日、ポプリトークの講座にて5月の講座を欠席した受講生への教材として頂きました。5月の講座は園芸高校の講座と重なり、残念乍ら欠席いたしましたので。
ご本の帯に書かれているように、花と香りをめぐる、馥郁たるエッセイ集なのです。花の香り、ハーブ的な面、花の文化史、その花にまつわる詩歌、映画など、様々なことが紹介されて香り高く語りかけてくれます。文章の素晴らしさは勿論のこと、先生の読書量、資料の豊富さ、いつもご著書を読む度に感服いたします。
あとがきには、「花にはさまざまな魅力があるが、私の場合やはり一番ひかれるのは花の香りである。香りは、花の声のように思われる」と書かれております。 「香りは花の声」もの言わぬ花は、その時々、私たちの心を慰めたり、励ましたり・・・香りで語りかけてくれるのですね。
さらに「新装版によせて」のあとがきの中に、「花にたすけられて悲しみを超え、花に励まされて仕事に励み、花に誘われて楽しい時を持つ・・・花は、私と共に、いつも香しく ”咲いて” います。 花が秘め持つ、たおやかなパワーの素晴らしさ! この本が、あなたの大切な花を思い出させ、元気づけ、未来に咲く花に期待するきっかけとなりますように。」とあります。今、東北の地で困難な状況にある方達のことを思いました。その方達への励ましの言葉のよう。花を観ること、育てること、飾ること、花で心和み励まされて、本当に偉大な花のパワーを感じます。