かな書展(古筆手鑑)

出光美術館にて開催中の古筆手鑑(こひつてかがみ)という仮名書展を見学いたしました。国宝とされている古筆手鑑「見努世友(みぬよのとも)」と「藻塩草(もしおぐさ)」ほかたくさんの古筆手鑑が展示されておりました。図録の解説によりますと「古筆」とはおおよそ近世までに書写された写本類の総称とのことで、その大部分は歌集等の仮名書の多い写本とのことです。「手鑑」の「手」は筆跡、「鑑」は手本・見本という意味があり、筆跡の見本帳とのことです。奈良〜平安時代、光明皇后、紀貫之、三跡として有名な小野道風、藤原佐理、藤原行成などの字を一同に観ることができました。書かれている紙、料紙なども素晴らしく流れるように美しい仮名書をゆっくりと観賞致しました。変体仮名はほとんど読めませんが、墨の色や墨継ぎの箇所、それぞれの字の形などアートとして鑑賞できました。書かれた字を通してなんとなくその時代の空気が感じられました。
三大古筆手鑑とされているのは「翰墨城(かんぼくじょう)」(MOA美術館蔵)、「見努世友」(出光美術館蔵)、「藻塩草」(京都国立博物館蔵)だそうです。いずれも国宝に指定されております。それらの2点を同時に観ることができるのは大変珍しく、貴重な展覧会だそうです。記念に求めた絵はがきは高野切第三種 伝紀貫之。「水茎の跡もうるわしい」という表現がぴったりだと思いました。Nさん、チケットをありがとうございました。勉強になり楽しませていただきました。


古筆手鑑を見学する前に友人Aさん所有の百人一首を見せて頂きました。Aさん、ありがとうございます。北海道ご出身のAさん、子供の頃から楽しんだ百人一首は木製の札だったそうです。読み札は紙製、取り札は木製。それらの札に絵はなく変体仮名のみが書かれていました。私は紙製の百人一首しか知りませんでしたので大変興味深く拝見いたしました。写真のセットはお嬢様のために求められた新しい品とのことでした。