レオナール・フジタ展

昨日、箱根のポーラ美術館にて開催中の「レオナール・フジタ 私のパリ、私のアトリエ」展を観てまいりました。ポーラ美術館が所蔵している日本最大級とされる110点のフジタ・コレクションが一挙に公開されてとても見応えがありました。
画家レオナール・フジタが描く「素晴らしい乳白色」の形成について化学的な調査結果(キャンバスの一番上・表面に使っていたのは和光堂のシッカロールだったことなど)や輪郭を描く時に使用するのは日本画で使う面相筆や墨であることなど興味深く見学いたしました。
写真家の土門拳氏がアトリエで製作中の様子を何枚も写されていたことなど初めて知りました。それらの写真から画家フジタの技法の一部を知ることが出来たそうです。和光堂のシッカロールの缶もアトリエのテーブルの上に載っている様子が写されています。シッカロールの成分が「乳白色」を形成するのに大切だったことが化学的調査から分かったそうです。
パンフレットに写されている絵の額縁は画家フジタ自らが作成した額とのこと。この絵が入る前は鏡がはめ込まれていて暖炉の上に飾られていたそうです。
連休の終わった箱根はとても静か、道路添いの木々、裸木になった樹木のベージュ色の濃淡が美しかったです。ポーラ美術館の入り口に植えられていたアジサイの末枯れた色が日本画に描かれているようで、本当に美しくて今も目に残っています。