母の薔薇

5月は夫の母の命日の月です。アーチのノイバラが散る頃に待ってましたとばかりに咲き始める赤いツル薔薇。毎年、姑の命日が近づくと咲き始めます。

まだ姑が元気だった頃に行きつけの生花店から「私の名前の薔薇があったの。千代っていうんですって!」と嬉しそうに鉢を抱えて帰ってきました。当時は姑の庭に植えられていたのですが、姑が亡くなってから我が家の庭に引っ越してきました。以来、毎年、命日近くになると「私を忘れないでね」というように咲き始めます。

この薔薇が咲くと、姑が私たちに会いに来ているような気持ちになり、「お母様、お陰さまで私たちは元気でここに暮らしています。」と語りかけ、あの時の嬉しそうな顔と、万年箒を手に庭の落ち葉を掃いていた小柄な姿を思い出しています。