京都の旅−7(十輪寺)

紅葉の落ち葉の坂道を行くと小塩山十輪寺の山門です。
十輪寺平安時代歌人在原業平が晩年、隠棲した寺とのことで、なりひら寺とも呼ばれるしずかなお寺でした。また、安産、子宝の寺としても知られているそうです。

拝観料をお払いし、なりひら紅葉、大楠の木などの見える境内を通り、ご本堂から建物の中に入りました。ご住職さまが案内してくださり見学させて頂きました。

本堂から高廊下(渡り廊下)を通って業平御殿に。
平安時代の貴族達はお座敷に横になりお庭を観たそうです。私たちも畳に身体を横たえてお庭を鑑賞させて頂きました。

立ち上がって見ると違う景色に見えました。
パンフレットによると、このお庭は三方普感の庭と言い、高廊下、茶室、業平御殿の3カ所から場所を変え、見る人に様々な思いを感じさせる「心の庭」であると書かれております。
写真は業平御殿から写しました。左側は高廊下、正面の白壁はご本堂、右の壁は茶室です。

ご本堂の横を通ると復元された塩竈のある場所に行きます。


途中に、ひっそりと業平の墓がありました。
恋愛結婚成就にご利益があると言われて、若い女性やカップルが訪れることが多くなっているそうです。この日も若いカップルとすれ違いました。

ご本堂のお屋根。鳳輦形(ほうれんがた)という神輿を型どった珍しいものだそうで、文化財に指定されているとのことです。

復元された塩竈
在原業平はじめ平安時代の貴族達は野遊びの一つとして塩焼きの風流を楽しんだそうです。この寺のある地域名「小塩(おしお)」はこの故事に由来しているとのことです。

大原や 小塩の山も けふこそは 神代のことも 思ひ出づらめ  在原業平(パンフレットより)

バス停の側にあった案内です。

十輪寺へつづくもう一つの道。山門を中心にして左右に道があり、どちらも同じ道路にでます。

この日の目的地は十輪寺が最後でした。
バスに乗る予定でしたが、ちょうど行ってしまったばかり。1時間に一本しか来ないので、次のバス停まで歩く事にいたしました。ところが、次のバス停までかなり距離があったのです。夕暮れ時になり小雨模様で心細くなったころにバス停に着きました。バスで阪急電鉄東向日駅に行き、電車に乗り換えて無事にホテルに帰る事ができました。
2万歩以上も歩いておりました。すこし疲れましたが、美しい虹も見る事が出来て、西山巡り紅葉狩りの充実した1日となりました。