映画 ひろしま

狛江エコルマールにての上映会に出かけて参りました。

パンフレットから『奇跡への情熱・・・プロジェクト』代表プロデューサー・小林一平氏の書かれた文を抜粋してご紹介させていただきます。


『この映画は、被爆した子供たちの日記(原爆の子・長田新編)が原作になっています。多くの子供達の願いが全国の教師達(50万人)に通じこの映画はつくられました。作文を書いた子供たちは、両親を亡くし孤児となった子供達も多かったのですが、どの子も被爆の体験、人類の経験したことのない悲劇の下、精一杯生きて経験した事を綴ったのでした。原爆雲の下で置きた実態を後世に残そうと多くの子供達の情熱、広島市民9万人というエキストラや制作熱意が一コマ、ひとコマとフィルムに込められて行きました。それは核廃絶と命の尊さを世界へ訴えるものでした。』 と書かれております。


映画は高校で英語の授業の場面から始まります。物語は有るのですが、ドキュメンタリーのような感じで淡々と続きます。原爆投下され瓦礫と焼け野原となった町を子供を捜しあるく親、「おかあちゃーん」と泣く子供、胸が痛くなる場面が多くありますが、原爆投下された後の現実をしっかり見ておかなくてはと思いました。
病院のシーンで、放射能のしみ込んだ庭に大根の種をまいて、その芽が出る様子を毎日見守る人々。その芽に希望の光をみつけていたのですね。このシーンにも心打たれました。


原爆の映画は怖い、悲しい、だけではありませんでした。映画をみる楽しさもこの映画から味わう事ができます。それは、敬愛する熊井明子先生が対談のなかでもおっしゃていたこと。ストーリーを追って見る事もよいでしょうし、自分の趣味に通じることが出てきたりすることも有るかもしれません。


今だからこそ、この映画を多くの方にご覧頂けたらと思います。とくに若い方達、次の世代を担う方達に見て頂きたいと願います。10月21日には調布でも上映会があるそうです。
ご参考までに下記HPをご覧頂けたらと思います。この映画に関する情報も書かれております。
映画ひろしま 調布上映会HP: http://chofu-lab.org/hiroshima/


そして、この映画の助監督には熊井啓氏のお名前があります。数々の名作映画をつくられ、世界的な映画賞も数多く受賞なさった熊井啓監督は、この映画がスタートだったそうです。私の敬愛する熊井明子先生は熊井啓監督夫人であられます。
上映会では熊井明子先生と小林一平氏との対談、ゆかりの方達、この映画にご出演なさっていた俳優さんたちも参加されてアットホームな温かな空気に包まれた上映会でした。


映画が始まるまでの間、舞台にはグランドピアノが置かれ、森はじめさんのピアノ演奏がありました。ロビーには関連資料、撮影風景の写真、原爆の図などの展示もされておりました。

最後に、平和コーラスの方達と会場が一体となって「折り鶴」という歌を歌いました。
その歌の歌詞、映画を見たからこそ、深く理解することが出来たと思います。

折り鶴
(1)
生きていてよかった  それを感じたくて   
ヒロシマの町から   私は歩いてきた
苦しみをことばに   悲しみを怒りに    
傷ついたからだで   ここまで歩いてきた
この耳をふさいでも  聞こえる声がある   
この心とざしても   あふれる愛がある
*はばたけ折り鶴   わたしからあなたへ  
はばたけ折鶴     あなたから世界へ
(2)
生きていてよかった  それをみつけたくて  
ナガサキの町から   わたしは歩いてきた
この胸の痛みを    歌声にたくして    
焼け跡の下から    ここまで歩いてきた
(* くりかえし)