6月の歌舞伎

新橋演舞場にて6月5日に初日を迎えた6月大歌舞伎は初代市川遠翁、三代目市川段四郎五十回忌追善と二代目遠翁、四代目猿之助、九代目中車の襲名、五代目團子初舞台披露という公演。夜の演目は「スーパー歌舞伎ヤマトタケル」です。昨日観て参りました。 スーパー歌舞伎は初めて観ました。古事記をもとに梅原猛さんがお作りになられた「ヤマトタケル」。大変スケールの大きな劇、演出、舞台装置、音楽、いつもの歌舞伎とは違う新鮮な楽しみ方ができました。 
パンフレットの中で「未来へ天翔ける『ヤマトタケル』」と題して新遠翁さんが以下のようなことを書かれていらっしゃいます。「つまりスーパー歌舞伎とは、近代の新歌舞伎があまり顧みようとしなかった古典(江戸歌舞伎)の演技・演出上の諸要素(踊り・立ち廻り・ツケ入りの見得・隈取りの化粧・台詞の合方としての音楽等々)を意識的に採り入れつつ、現代人に感動を与え得る物語であることを目標にしているのである。」  
おっしゃる通り、心から感動いたしました! 新猿之助さんは大変な熱演でした。團子ちゃんは愛らしく、お役のワカタケルの台詞がとても良かったです。演じられた團子ちゃんとご実父の新中車さん、精進を重ねられて歌舞伎役者として大成なさいますようにと願わずにはいられませんでした。


三代目猿之助さんは二代目遠翁を襲名なさり、亀治郎さんは四代目猿之助を襲名、香川照之さんは九代目中車を襲名、新中車さんのご子息は五代目市川團子として初舞台。 ヤマトタケルの劇中には(劇が始まってすぐでした)、新猿之助さん、新中車さん、お二人での襲名披露口上がありました。演舞場の入り口には絵看板が掲げられておりました。絵看板が掲げられるのは珍しいことだそうです。 
舞台最後のカーテンコールはスーパー歌舞伎ならではなのでしょう。拍手が鳴り止まず、二回目のカーテンコールでは新遠翁さんも登場なさるサプライズ!舞台と客席が一体になって盛り上がり、感動の渦に包まれました。




普段の演舞場の歌舞伎公演には無い「メッセージの木」と題されたメッセージボードも設置されておりました。励ましの言葉がたくさん!