手書きエッセーの本

 手をめぐる400字の手書きエッセーの本です。見開き1ページで完結しますので、どこから読み始めても楽しめることができます。バッグに忍ばせて持つのにも手頃なのです。
    
    
 手書き原稿はそのまま本のページになっておりますので、あら、この方はこんな字を書かれるのね・・・と感心したり、自分の持つイメージと違っていたり、同じだったり。使っていらっしゃる原稿用紙も興味深いです。
 内容は、タイトルにあるように手にまつわるあれこれ。ほろっときたり、クスッときたり。。。安達瞳子さんは、師であったお父様から蕨手の花鋏を渡されたことに重ねてお父様似の手のことを、内田也哉子さんは、お父様と会い別れ際に握手したときのノスタルジックな思いを、須賀敦子さんはお祖母様の手の思い出を。400字の中に様々な手への思いが詰まっています。
 「手をめぐる400字II 女たち」というタイトルなので、パートIもあったりするのでしょうね。どのような方達が登場しているのでしょう。いつか読んでみたいです。
 そして、自分の手は・・・、若い頃からいつもコンプレックスでした。シワの多い手は20代のころから変わらず、あの頃「手だけ差し出してみれば、おばあさんね」と悲しかった。今、そのおばあさんの年頃になった手は、指の間接が曲がったりして、スムーズに動きにくく、さらに年齢を感じる手になりました。それも生きている証拠、働いてくれる手に感謝。