晴れて気持ちのよい光に満ちている今朝、ロサ・ガリカ・オフィキナリスの花を切りました。
この花房で今年は終わります。花後にできるローズバッズも魅力なのですけれど、最後の花びらを乾かして残したくて・・・、少しの間、飾って楽しんでから。
このバラはかつて、薬種商のバラとも呼ばれていたという。敬愛する熊木明子先生のご著書「シェイクスピアに出会う旅」(岩波現代文庫)の中では、ロミオとジュリエットの物語、第二幕第二場と第五幕第一場に登場している「薔薇」はこのバラでは・・・との記述があります。
第五幕第一場、物語の中で薬屋の店内を描写して「古びた薔薇のかたまり」と書かれる場面があります。それについて「シェイクスピアに出逢う旅」より一部を引用させて頂きます。
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薬屋の原語は Apothecary (薬物商、薬剤師)で、この店先にある「薔薇のかたまり」の薔薇は、Apothecary rose の別名を持つ R. gallica officinalis であろう。ジェラードは、The Red Rose の中でも特に効きめのある薔薇がある、と書いているが、これがアポセカリー・ローズと思われる。
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他にも、夏の夜の夢、ハムレットなどシェイクスピア作品には薔薇やハーブが度々登場しています。シェイクスピア研究をライフワークになさっていらっしゃる熊井明子先生のご著書を読むと、ハーブや香りを通してシェイクスピア文学が身近に感じられるのです。