「ガレの庭」展 @東京都庭園美術館

 昨日まで東京都庭園美術館で開催されておりました「ガレの庭」(花々と声なきものたちの言葉 Emile Galle - Nature & Symbol)を見学して参りました。
 2月6日から始まっておりましたのに、一日延ばしになって、気がつけばもうあと数日で終わり!という時期に。日曜日も予定があったのですが、午後からに変更して、午前中に駆け込みました。
    
 観に行って良かったです! 東京都庭園美術館は旧朝香宮邸の建物が使用されております。その邸宅内が展覧会場となっておりますので、ラリックのシャンデリアの下にガレの作品が並ぶ・・・贅沢な展示となっておりました。
    
 この展覧会で、エミール・ガレという人は、ガラス工芸作家ですが、大変な植物学者であり科学者であったと分かりました。そして、「私の根は庭の奥深くにある」(メモしなかったので、記憶が少し??ですが)とガレは言っていたそうです。そういう心を持って作品を作り続けていたこともこの度の展覧会で知りました。
 自宅にある広大な庭園には、3000種もの植物を育て、中には400種ほど日本の植物もあったそうです。園芸協会の中心的メンバーとしても活躍していたとか。蘭にはひと際心魅かれ、研究し、論文に纏めていたそうです。
 日々、庭の動植物をつぶさに見続けているからこそあのようなすばらしい芸術作品ができたのだと分かりました。
 また、日本からも影響を受けて、作品にもジャポニスムの時代がありました。緻密で、美しい作品に感動しきりでしたが、特に良いなあと思ったのは、「大麦」という作品。二本の麦がデザインされている花器ですが、一本はすっくと立つ「若い麦」。もう一本は、穂を下げて末枯れた様子の「老麦」。末枯れた姿にも心を寄せるガレに親しみを感じました。
 この展覧会の特筆すべきことの一つに、オルセー美術館所蔵のデザイン画と実物の作品が並んで展示されていたことでした。本当に滅多に無いことだそうで、HPの解説には、100年ぶりの邂逅とありました。デザイン画を見て実作品を観て、色も形も水彩のデザイン画通りの出来栄え、素晴らしさに感動いたしました。
 最終日でしたので、混んでいることを覚悟して出かけましたが、午前中だったので、ゆっくりと見学し、美しい作品の数々を堪能できました。前日の土曜日は大変な混雑だったそうです。
 会期は終わりましたが、下記、「ガレの庭」に関する東京都庭園美術館のHPです。
http://www.teien-art-museum.ne.jp/exhibition/160116-0410_galle.html

 次回の開催予定は、「メディチ家の至宝」(ルネッサンスのジュエリーと名画)。こちらも観逃せませんね。この展覧会には吉谷博光氏がかかわられているそうです。どのような会になるのか楽しみです。
 会期は4月22日から7月5日迄です。ドレスコードは「パール」。パール(本物以外でもOK、ガラスパールやコットンパールも)をなにか一つでも身につけていると入場料は100円割引されるそうです。展覧会でこういう遊び心、楽しいですね。